君にハートを盗まれた。


「先輩?」


不思議に思って声をかけても返事がなくて。


先輩の視線は、ずっと、あたしが見入っていたモデルさんを見つめていた。



「先輩?どうしたんですか?先輩?」


先輩の腕を軽く揺さぶってみると、ようやく、あたしに視線を移したけど…


先輩の様子が、どこかおかしい…。



「先輩?どうしたんですか?」



「えっ?いや。なんでもない」



「なんでもないって…この人、知っている人ですか?」


そう聞いた瞬間。先輩の表情に緊張が走るのが分かった。


やっぱり。知ってる人なんだ…。



女の子って、どうしてこういう時に勘が働くのだろう…。


「もしかして…この人…」



違うって…思いたい。そうじゃないって思いたい。


だけど…