君にハートを盗まれた。


「それでよし」


満足そうに笑うと、もう一度本屋の中に入ってさっき見ていた参考書を買う為レジに並んだ。




先輩が来るまで、雑誌でも見てよう。

綺麗なお姉さんが表紙になっているファッション雑誌を手に取り見始めた。


特集で、夏に向けてのヘアアレンジが載っていて。


いろんな髪型が載っている中、1人のモデルさんに目が止まった。



透き通るような白い肌に、吸い込まれるようなキラキラした大きな瞳。


軽いウェーブに波打つ髪をアップにした表情が色っぽくて


思わず見入っていると



「お待たせ」


会計を済ませた先輩がやってきて、あたしが見ている雑誌に


「なに見てんの」


と、顔を近づけてきた。


瞬間…先輩の瞳が大きく見開かれ…
先輩の顔から、笑みが消えた。