先輩の鼓動がトクントクンと響いてきて、あたしは先輩の背中に腕を回して抱きしめた。 「先輩が好き。もう…先輩しか好きになれないよ」 「うん…知ってる」 先輩が大好き。 苦しいぐらいに大好きです。 ねぇ、知っていますか? 先輩が思っている以上に、あたしは先輩が大好きなんですよ。 だから… 先輩が、こんな風にヤキモチ妬いてくれることが 凄く嬉しいって言ったら怒りますか? ザワザワと風が木の葉を揺らし、小花の花びらが空を舞った。 先輩の肩越しに見えたこの景色を、あたしはきっと忘れないよ。