その彼の表情に、心は、また激しく波打つ。

苦しくて、息ができないんじゃないかって思うぐらい。


バクバクが煩いぐらいに響いていた。


そんなあたしに、彼は「まぁ、気をつけろよ」だけ言い残して屋上を出ていった。


その彼の後ろ姿をただ、黙って見送る事しかできなかったあたし。


その後も、数分以上その場に立ち尽くしたまま。鼓動が収まる事はなかったんだ。