「まっ、とりあえずそういうことだから!早く学校に行きなさいっ
みなさん送ってくれるから」


送ってくれるって……
あたし、普通の学校に行きたい…


て、いうか!!
「あたしの受験は?必死になって勉強した時間わぁぁ?!」


大の勉強嫌いのあたしが、必死になって勉強して
ようやっと受かった高校は?!


「そんなのお金持ち校のほうがずっといいでしょっ」

そんなのって…そんなのって…オイ。


"もーつべこべ言ってないでさっさといきなさいっ”

そう、母にいわれ強制的に玄関の外へと出されたあたし。

身動きをとらず、一歩も歩かないで呆然と立ちつくしていた、あたしの前に
一人の男が現れた


「私、悠亜様のチーフ執事を勤めさせていただきます。田代 琉(たしろ りゅう)
と、申します。よろしくお願いいたします、プリンセス」


「よ、よろしく…です」


田代という男は、私の前でニッコリと王子のようなスマイルを見せた後、
片ヒザをつき車へと案内してくれた。


「こちらへ、どうぞ。」