「…」
授業が終わり教科書やノートを机の引き出しにいれようとする愛華に近寄る早紀
「別れ屋…いやちがう、園原さん」
「なに」
もどもどしてる早紀など気にせず机の引き出しに視線を捧げる愛華
「友達になろう!!」
「…は?」
早紀の口から出てきた言葉はあまりにも単純で馬鹿馬鹿しい言葉だった
「いいじゃん!気づいたけど私クラスに友達いないし一人なんだよねー!園原さんもおそろいなんだし縁だってあるわけだし」
この前までとはあまりにも違う態度に愛華は呆然としていた
「それにもうすぐオリエンテーションあるんだよ!?一人じゃ班組めないよ!」
「他をあたって」
「ケチ!ね、浅原さん!」
「ええ、え、ええええ、え、私ですか?!」
「そう!どうせ女子三人男子三人なわけだし、先に仲良くなっとこ♪」
「ええええ、ええ、え、えええ」
読んでいた本をパサリと落として慌てる比亞
―確かにオリエンテーションの時一人だと逆にある意味面倒だし気まずい。ってかあの熱血先生にあーだこーだ言われるのが気に喰わん
「あ、拓也くんは…」
「残念ながら違うクラスなのよねー…だから、友達いないとこの先ずっと一人だし」
「…」
大げさにため息をつく早紀
それに何故か共感してしまう比亞
そして…
―何このデジャヴ
少しデジャヴの使い方を間違えている愛華
「…ということで!友達になろう」
「何勝手に簡潔してんの」
愛華の厳しく鋭い突っ込みに無視を図って次の話題へ転換させる
「わ、私友達になりたいです…」