++すい++


葵くんに後ろから抱きしめられて、一気に心臓の鼓動が早くなった。





………今


“すい”って言った…?





「あ………

葵…………くん?」






「もう二度と、消えたりしないよ…すい……」








葵くん…………








「………うん」






「ずっと…すいのそばにいるよ…」






「うん…………」








泣きじゃくっている私の肩に手をのせ、葵くんは自分の方に向かせた。








「泣くなよ」





葵くんは私の頬を優しくなでた。







「私…葵くんと連絡も取れなくなって、


いきなり消えちゃって…



あんな形で終わっちゃうなんて…



私に…あんなに夢中にさせといて………



葵くんの………バカ!!


バカ!!バカ!!!


バ………」



言いかけた時、葵くんに唇をふさがれた。



長く……あの頃よりも少し大人なキス








「一人にして…ごめんな…」




「また消えたりしたら…絶対許さない!

ていうか…私…どこまでも追いかけていくから!」


私は葵くんに抱きついた。





「追いかけなくていいよ」


私は葵くんを見上げた。




「俺はこれからずっと…すいの隣にいるよ。


約束する」











そして私は


初めての、幸せな痛み知った