海って… 東京の海ね。。


もうちょっと遠い海を想像していたんだけど…





車から降りると、星のない空と汚れた海。

海岸沿いを少し歩いていると


だんだん東の空だけ濃い藍色が薄くなってきた。



「夜が明けるな…」




ボーっと二人で海と空の色が変わっていくのを見ていた。


春の朝の冷たい風に吹かれ、

完全に酔いがはっきりとさめた。

私はなんで今…葵くんと一緒にいるの…?


なんで葵くんは私を車に乗せたの…?

私に気づいていてのことなの…?



いろんな疑問がわいてきて、何がなんだかわからなくなってきた。


でも聞けない。


なんか聞くのが怖い。

はっきりさせたくない…




今は…もう少しこのままでいい。


私に気づいていなくていい…



もう少し…一緒にいたい…


突然私の前から消えてしまった葵くんが今…

目の前にいるという現実がうれしくて…



もう少しこのまま


もう少し


このまま…