「○○室は何階ですか?」



また今日も同じ質問を愛想よくお答えし、

ニコッと微笑む。



すっかり愛想笑いの達人だ。




「そろそろかな…

あ、堺さん!」



由佳が最近お気に入りの男性社員、堺さんが受付前を通った。

「ねぇ、社長の息子さんてもうきた?」


堺さんはめんどくさそうな顔をした。


「1時から○○部で挨拶するって。

んで、今度の金曜の夜、歓迎会だって。
受付ちゃんたちにも、そのうち声がかかるよ、絶対」



「そうなんだ〜ありがとう堺さん!」

由佳はかわいく言った。


堺さんは片手を振って行ってしまった。


「1時ね…ふじ!見にいこうね!」




「え〜〜〜

誰が留守番すんのよ。


いいよ。由佳見てきて。


感想聞かせてよ」



「わかった!

1時が楽しみ〜!」



由佳はウキウキだった。