「中学の時に…

ちょっとだけ好きだった子。

でも彼女がいたし。
告白もしてないし。

だから全然関係ない人」



「ふ〜ん…そっか」


桐谷くんは歩き出し改札を通った。



私も追いかけて改札を通った。



桐谷くんが手をつないできた。



「今は俺だけのすいちゃんだろ?」



たくさんの人が通り過ぎる中、二人は手をつないで立ち止まっていた。




「うん」


「なら…よし!」



私たちは広い駅を歩いて、今から乗る電車のホームへ向かった。


待ってよ…

桐谷くんの気持ち、聞いてない。


私の事…どう思っているの?

この関係は…何なの?





私は立ち止まって桐谷くんと繋いだ手を引っ張った。


「桐谷くんは…私の事をどう思っているの?」



はた目に見たら喧嘩をしているよう。

通り過ぎていく人たちがじろじろ見ていく。



「俺…ちゃんと

こんな所じゃなくて

今日すいちゃんに告白すっから!

ちょっと待っとけ!」


桐谷くんは照れ臭そうに私の頭を撫でた。




告白………///




それって“好き”って事だよね…///



そう思っていいんだよね…




いつ告白が聞けるんだろう…



ワクワクしながらホームへと続く階段を下りた。