++すい++


桐谷くんは携帯を出して

明日の予定を考えだした。


携帯をいじる指までも

かっこよく感じる。



携帯を見つめる瞳まで…


私は完全に【桐谷病】におかされている。。。



「どこ行く?
映画は今…こんな感じみたいだよ」


携帯画面を見せながら桐谷くんが言った。


あ…この映画見たかったやつだ。


漫画が原作で映画化した恋愛もの!


「私、これがみたい!」




桐谷くんはちょっと苦笑いした。


「え…これ?

ま…いっか!これ!

これ見に行こう!」


私はこの映画の特集が載っている雑誌を出して桐谷くんに見せた。


「この人が出ているんだよ!今すごい人気だよね!」



私は女の子に大人気のアイドルで、この映画の主役の男の子を指さした。


「すいちゃんファンなの?」


桐谷くんは眉をしかめて言った。


「ファンではないけど…」


桐谷くんは雑誌を閉じた。



「ファンなら行かねぇけど」



桐谷くんは私に雑誌を返した。



「ファンじゃないよ…
漫画を読んだ事があったから…見てみたいだけだよ…」



桐谷くん…なんか不機嫌だな…







「俺だけに…しとけよ」




桐谷くんが真剣な眼差しで私を見つめた。


私は体が熱くなった。