「はあ?人の女?

笑わせんなよ。

すいは俺の女だ!」

西川君が私の腕を引っ張った。


「やめて!

私、西川くんのこと好きじゃない。

彼氏じゃない。

私の彼氏は…この彼なの!」




西川くんはケタケタ笑った。


「こんな女みてぇな顔の男のどこがいいんだよ。

俺の方が男らしいだろ?

今時黒髪で真面目くさったやつなんかやめとけよ」




ちょっと!

こいつ!!

桐谷くんの事を馬鹿にして!!

ムッかつく!!


「西川くんなんて大嫌い!

私茶髪の男って大嫌いなの!

黒髪で、背が高くて、八重歯の男子が好きなの!」



桐谷くんの…事じゃん。

私…告白しているみたいじゃん。




「ま。そういうことだから。

すい、いこうぜ」


桐谷くんは私の肩を寄せた。

肩組まれている///


今、“すい”って言ったあ///



きゃあ///






私たちは駐輪場へ歩きだした。




「ちょっと待てよ!」


まだ西川君が追い掛けてきた。


「お前が本当の彼氏なら、
ここでキスしてみろよ」




な、なぬ−−−−!!!