プルルルルルルッ


ケータイの電話が鳴った。


「ほら、ゲームしてくれないからケータイが怒ってるわよ」


そんな機能付いているわけない。


絵理からだ。


私は電話を取った。


「アイカ!!大変なことが起こったの!!今すぐ学校に来て!」

「無論、行きますとも。」


私は即答して、すぐに制服に着替えて家を出た。


学校は冬休みでも授業公開という形で開いていた。


いつもと変わらない学校なのにちょっと心はうきうきしていた。


「アイカ~!どうしよう~!」


教室に行くと、絵理が私に泣きついてきた。


絵理はしゃくり上げていて喋れない状態だったので近くにいたルイに話を聞くと、

どうやら今日ルイからプロフィールをもらい、

ファイルに閉じこもうとしたらそのファイルが失くしてしまったようだ。


「家に置いてきたんじゃないの?」

「俺もそう聞いたらちゃんと学校行く前にかばんに入れたって言われた。」

「学校では探したの?」

「おう、学校では俺も手伝って探した。けど、なかった。」


私の質問に答えるのはルイ。


私は絵理に質問しているの。


第一、なんでプロフィールごときでそんなに泣くのよ。


「そんなの集めてどうするの?」

「最後の日に見返そうと思って」


・・・前にそんな会話したっけ。


何にしろ、それは絵理の最期の願いだ。


「じゃあ、校外を探しに行こう。」


私はまた先ほど歩いてきた廊下を走り出した。