よっぽどなことがない限り、

親についていかないと見放されてしまうと不安になるからね。


ルイは正しい判断をしたと思う。


今になって彼への憎しみの心が消えていった。


「なんで離婚したの?」


私だって一応、彼らの娘だ。


聞く権利はある。


ルイは深刻な顔で口を開いた。


「父さんが浮気した。」


はっきり言って私は母親より父親が好きだった。


背が高く、スーツが似合って、カッコ良くって、

小さい頃は心の中で密かに結婚したいとか思っていた。


「あっちの人で…母さんも承諾して別れた。」

「なんで止めなかったの?」


のどがきゅっとしぼめられて声が裏返りそうになる。


ルイを攻めているわけじゃないのにルイは済まなそうに話す。


「母さんは父さんの“幸せ”を考えたんだよ。」


なにそれ・・・。


「それじゃあ、母さんは“幸せ”じゃないじゃない!!」


私は目頭が熱くなり、ルイに怒鳴った。


立ち止まると自然と涙が出てくる。


ルイは私から目をそむける。


「そういうもんだろ。結婚って。」


そういうもんって・・・。


まだ結婚できる歳になってない私は分からない。


あんただってそうでしょ?


じゃあ、なんで・・・分かるような顔しているの・・・?