玄関に入り、居間に行くと祖母が私を見て深刻そうな顔をする。


「来たのか奴らが。」


「よく分かったね。」


私は面白くもないのに笑ってみせた。


「その顔を久々に見たからね。挨拶にでも来ればいいのに。」

「いやなんじゃない?私がいるから。」

「それは考えすぎだ。ルイにでも逢ったのか?」


私はこくりとうなずいた。


「昔から苦手だったよな。あいつのこと。」

「ふん」


だから私は彼を記憶から消していたのかもしれない。


「ふぁあ、恋愛ゲームやるから静かにしてね。」

「あら今日の分は終わったんじゃないの?」

「新しいの探すの。」


あの抱きしめられた感触と温もりに騙されるな。




私は…



現実なんて愛さない。