「それだけですっ。」 なんじゃそりゃ。 でも、待ってて、って言わないのが浩太郎らしい。 「そう。受験がんばってね。」 「はい。」 「じゃあ、行くわ。」 「…はい。あ、先輩、卒業おめでとうございます。」 「ありがと。じゃあね。」 私は振り返らなかった。 浩太郎、私、大学で恋をするかわからないけど、でも、待ってるよ。 あなたが来るのを…。