浩太郎はタオルを渡してくれた。 最後の最後まで優しい浩太郎。 …本当は、別れたくなんかない。 「受験生の先輩を支えきれなくてホントにごめん。 昨日のことは嘘じゃないから。ただ、いとこだから…きっと何か誤解される何かがあったのかも。言い訳くさいけど、知ってて…。 じゃあさよなら。…戸田先輩。気を付けて帰ってください。」 浩太郎は、振り返ることなく教室を出ていった。