『言えないんだ…。』 自分で言っておきながら、泣きたくなった。 私が受験でなかなか会えなくて、きっと寂しい思いをさせているのはわかっているけど…、それを浩太郎はわかってくれてるって信じていたのに。 『先輩だって…』 『え?何?』 『先輩だって、男の人と一緒に帰ってるじゃないですか…。』 ゆーすけのこと? あいつはただの部員なのに。 ただ、授業が一緒の仲良い同学年の男子ってだけじゃん。手なんかつないだ覚えはないし…。