恥ずかしくて咄嗟に俯く真空。
「まだ痛む?」
と、真空が変に動いたことに違和感を覚えたのか背中が心配そうに訊ねて寄こすが――そうじゃない――
「気にすることないって」
「え?」
突然そう言われて頭に何かが触れた。
恐る恐る顔を上げると、不思議な魅力の漂う顔が目の前にあって、こっちを覗き込んでいたのだ。
「苛められてたこと、知られたくなかったんだろ?きみの様子だとタキには見られていなかったと思ってるみたいだけど、こいつ最初っからきみのこと見てたから」
「それはお前もだろ?AKI」
タキほどじゃないと言って笑う彼は、静かな風が吹くイメージ。
「きみ、名前は?」
「え、えっと…甲斐澤真空です」
「真空ちゃんね。覚えておくよ」
秋司は真空に微笑みかける。
誰に対してもこんな顔をするのだろうかと思うが、彼は、なんども言うが、可愛いもの限定なのだ。
「AKI。怪しく笑いかけない」
と薫季が指摘したところで、ハウス内が盛り上がりを見せた。
「そろそろじゃないか?」
秋司がステージに視線を送る。
真空は背負われたままで兄の姿を待った。


