兄とは違ったカッコよさでも優しさは少し似ているように真空には感じられた。
それが瞬時に頭に浮かび、彼が自分のことを心配して掛けてくれた言葉を、急に思い出したように気付き、慌てて返事をしようとするが、
「は、はいっ、え、あの……!」
と、はっきりしない言葉ばかりがぼそぼそ零れるだけで、上手く声が出てくれない。突然のことで、考えていることに体がついていけていない。
どうしようかと俯く真空。
きっと彼はおかしな子だと思っているに違いない。早く返事しなくっちゃと、頭ばかりがぐるぐるする。
そんな時、
「大丈夫かい?立てる?」
彼は少し笑ってそう言った。
おかしな子だとか馬鹿にした感じの笑いではなく、柔らかく安心したような、そんな笑み。
クールな顔立ちが、温かみのある表情になったことに、驚きのこもった嬉しさを感じた。
とてもいいものを見た、と。
「あ、はい!大丈夫、です」
浮ついた感情をなんとか隠しながら、彼を心配させまいと手を借りながらも慌てて立ち上がる、が。
「いっ……」
あの時の足首の痛みに触れて声が漏れる。


