自動ドア

早苗は左手の人差し指をセンサーに向けて、奈々子の言葉に答えようとした。

「こんなもの、あってもなくても…」

そのとき

センサーが早苗の人差し指に、ピッと反応する。

そして、ドアがガーッと自動で開く。

「……」

声も出ず呆然となり、その場に突っ立っている早苗。

しばらくして、ハッと意識が戻ったかのような早苗は、慌てて荷物を拾うのだった。