自動ドア

「いででで、痛、痛いって言ってんだろうがっ、コノヤロー!」

早苗がキレる。

早苗の腕をつかんでいた店員たちは、思わずその手を離そうとする。

周りにいる人たちは、爆笑である。

笑いをこらえて泣きそうになっている奈々子は

ふと、ドアにはさまれている早苗の上方を見た。

そして、右手の人差し指をある物に向けて言った。

「あれ、自動ドアのセンサーじゃないの?」

早苗がギロッとした目で、自分の真上にあるセンサーを睨もうとする。