結婚事情

タツヤの不機嫌な表情を確認したとたん、私のだるい体も眠気もふっとんだ。

こういう場合、どう言えばいいの??

アユミもタツヤも傷つけたくないんだけど・・・

「い、いや、たまたまこないだ私の恋愛相談に乗ってもらってた時に、私がいつもみたく、ほら、あんたにもよくやるように、強引に問いただして、アユミの口を割ったわけよ。別にアユミから話があったわけじゃなくって。それに、アユミがタツヤをどうこう思ってるってわけでもなく、私が勝手に想像ふくらませてただけよ。」

明らかに動揺してるよな、私。

額にじんわりと汗がにじむ。

それが熱のせいなのか、焦りのせいなのかはわからないけど。

タツヤは幾分納得した様子だった。

あー。

びびった。

思わず口を滑らせるととんでもない事態になっちゃうもんね。

反省反省。

おかげで、熱のしんどさはぶっとんだけど。

「ふぅん。その話が本当かどうかはともかく。俺、てっきりダブルデートっておまえらがしくんでんのかと思った。それだけは絶対ないよな。」

妙に力のこもった声でタツヤは言った。

私も大きくうなずく。

「じゃ、いいや。言っとくけど、俺、アユミとどうこうなろうなんて全く思ってないから。」

・・・。

その言葉は、私の気持ちをホッとさせる反面、すごく冷ややかに聞こえた。

アユミの気持ち考えたら、そういう言い方ないんじゃない?

「じゃ、なんで二人で飲みにいったわけ?」

思わずつっこんだ。