「ダブルデート?」

翌日。

水口さん・・・いやいやナオとランチをしている時にさりげなく切り出してみた。

「そう。ダブルデートなんて、やっぱり気が進まない?」

ナオは、しばらく考えてから言った。

「でも、アユミちゃんの恋のお手伝いになるんだったら、喜んでやるけど。」

喜んでやるのかいっ!

ナオに抱いていたイメージがちょっぴり崩れた感じ。

意外と腰が軽い。

年齢の割に?

「そ、そう。じゃ、アユミにはオッケー出しておくわ。」

「その代わり。」

「その代わり?」

「恋のお手伝いするからにはさ、その男性のタイプっていうか人物像があらかじめわかってると協力しやすいな。ハルが知ってる相手なら少し教えてもらえないかな?」

「あ~・・・」

一瞬言葉に詰まる。

ナオは首をかしげた。

「ハルにとっては今ひとつって相手なのかな?」

今ひとつっていうか。

自分でもその辺が微妙な感じで。

悪いやつではないんだけど、どうもアユミにふさわしいかと言えば断言もできないっていうか。

「まー、悪いやつではないことは確かなんだけど。お酒が大好きな割に結構弱くてすぐ寝ちゃったり、おおらかなんだけど、しょうもないことを気にしたり。手のかかる部分もあるかなぁ。あ、そうそう、年上の私に対してため口叩くようなちょっと無礼なところもあるかも。」

「ふうん。」

ナオはほおづえをついて私を見た。

そんなまじまじと見られると、ちょっと恥ずかしい。

だって、まだそこまで何度も会ってないし。