結婚事情

なるべく表情を変えないようにゴクリとつばを飲み込んだ。

「そ、そうなんだ。まさか二人で?」

「そのまさかの二人でなんだって。」

「えー。どういうことよ。」

明らかに動揺してるよな、私。

「知らない。急にさっき言われた。暇だから今晩つきあえってさ。」

アユミはまんざらでもなさそうに笑った。

ふうん。

別に私が知ったこっちゃない。

「こういうのから始まる恋もあるかもよ。」

少しいたずらっぽく笑ってアユミに言った。

すると、アユミはうつむいて答えた。

「そうだよね。」

へ?

「実は、結構前からタツヤのこと気になってたんだ。」

アユミはらしくもなく、肩をすくめて恥ずかしそうに舌を出した。

「そうだったの。」

明らかにトーンが落ちた私。

なんか変。

テンション落ちてく自分。

アユミの恋バナ聞いてる時だってのに。