結婚事情

「おっ!どーした?!」

私をみるなり目を丸くした。

どーした?!って・・・。

私は苦笑した。

「なによ、その女らしい格好は。」

「私がこんな格好しちゃ悪い?」

「っていうか、そんな小綺麗ななワンピ、持ってたことにまずは驚き。」

「私だって、たまにはこういう格好したい時もあるんだって。」

笑いながらアユミのおでこをこずいた。

「たまには、って。今日は何かそういう特別な日なわけ?」

勘のいいアユミはニヤッとして私を見た。

いくらアユミでも、さすがに今日誰と会うかは、こっぱずかしくて言えない。

もう少し。

いろんなことがはっきりしてから言おう。

「特別っていうか、今日は母の誕生日でレストラン予約してあるんだ。」

久しぶりについた嘘。

「そうなんだ!母親思いじゃん。」

「まー、たまにはね。」

「じゃ、お母さんとゆっくり楽しんできて。」

「うん、ありがと。また飲みに行こうね。」

「あ、そうそう、さっきタツヤに会ったんだけどさ。」

タツヤ・・・。

またか。

「来週の金曜飲み会だってさ。」

「あ、そ。」

「ハルナは行けそう?」

「まだわかんない。」

「そっか。実はさ。」

「ん?」

「これからタツヤと飲みに行くんだ。」

・・・?!