こうして、私の恋愛も、そして結婚もふりだしに戻った。

帰りの新幹線を待ってる間に、心配しているであろうミユに電話をかける。

ミユはすぐに携帯に出てくれた。

「どうだった?」

「ん-。とりあえずタツヤと会えてよかった・・・ってとこかな。」

「・・・それは、やっぱりそういうことかな。」

「はは、きっとそういうこと。」


他人が聞いたら、きっとこの二人は何をしゃべってるのか理解できないかもしれないけど、私たちは通じ合っていた。

私のちょっとした口調や言葉のトーンで、全てを語らなくてもわかってくれるミユ。

こういうときはいつも以上にありがたかった。


「思い切って会いに行ってよかったね。ハルナ。」

「うん。」

「とにかく、気をつけて帰ってきなよ。」

「わかった。今まで色々とありがとうね。本当にミユがいてくれて心丈夫だったよ。」

「ん。」


電話の向こうで、ミユは少し涙ぐんでいるようだった。

来週末、会いに行く約束をして、言葉少なに電話を切った。