別れ際、タツヤが少し笑って言ってくれた言葉。

「ねーさんが、ここまで会いに来てくれたことは、まじですごく嬉しかった。ありがとう。」

優しいね。タツヤは。

こんな情けないねーさんなのに、きちんと私の気持ちを浄化してくれる。

タツヤはきっと大丈夫。

そういう気遣いがいつでもできる温かい人だから。

「落ち着いたら、また会えるといいね。」

タツヤはそう言って右手を挙げた。

「うん、そうだね。祈ってる。」

そう答えながら、多分タツヤとは二度と会えないと感じていた。

タツヤの住む街から遠ざかりながら、私の気持ちは妙に清々しかった。

自分の気持ちを伝え、そしてタツヤの今の気持ちをはっきり聞けて、きちんと決別できたからだと思う。

30も過ぎて、ようやく男女のなんたるやが少しわかってきた。

これが遅すぎるのかどうかはともかくとして。