「実は別れたんだ。」
タツヤの目だけが私の方に向いた。
「なんでまた。素敵な彼氏さんじゃなかったの?」
私は息を深く吐いた。
「素敵な人だったわ。本当に、結婚のすぐ一歩手前まで話が進んでた。」
「じゃ、なんで別れるのさ。」
「私さ。ずっと結婚って、自分にとって何だろうって考えてきたんだ。」
「何なの?」
「結婚は自分一人でするもんじゃない。相手があってこそ。選んだ相手と一生支え合って生きていかないといけない。それは決して一方的なものであってはいけないの。自分だけ幸せにしてもらおうとか、支えてもらおうとか、じゃなくて、お互いに自然体で支え合っていける相手と結婚しなきゃならないって思ったの。私は別れた彼の前では自然体じゃなかった。それに、相手を幸せにしたいとか支えたいっていう気持ちが、どうしても十分に持てないことに気がついた。きっと、お互いに結婚するべきタイミングじゃなかったんだって思う。」
タツヤは同意するわけでもなく、否定するわけでもなく、ただ黙って聞いていた。
「あと、彼との別れを決意したときに、もう一つ気付いたことがあるの。」
自分の気持ちに任せてしまおうと思った。
「今は結婚とかどうだっていい。タツヤ、あなたのそばにいたい。」
心臓が痛いほどに震えていた。
タツヤの顔を見れない。
これほど沈黙が恐ろしいと思ったことはなかった。
公園に何本もそびえ立っているクスノキの木漏れ日がユラユラと地面に揺れていた。
タツヤの目だけが私の方に向いた。
「なんでまた。素敵な彼氏さんじゃなかったの?」
私は息を深く吐いた。
「素敵な人だったわ。本当に、結婚のすぐ一歩手前まで話が進んでた。」
「じゃ、なんで別れるのさ。」
「私さ。ずっと結婚って、自分にとって何だろうって考えてきたんだ。」
「何なの?」
「結婚は自分一人でするもんじゃない。相手があってこそ。選んだ相手と一生支え合って生きていかないといけない。それは決して一方的なものであってはいけないの。自分だけ幸せにしてもらおうとか、支えてもらおうとか、じゃなくて、お互いに自然体で支え合っていける相手と結婚しなきゃならないって思ったの。私は別れた彼の前では自然体じゃなかった。それに、相手を幸せにしたいとか支えたいっていう気持ちが、どうしても十分に持てないことに気がついた。きっと、お互いに結婚するべきタイミングじゃなかったんだって思う。」
タツヤは同意するわけでもなく、否定するわけでもなく、ただ黙って聞いていた。
「あと、彼との別れを決意したときに、もう一つ気付いたことがあるの。」
自分の気持ちに任せてしまおうと思った。
「今は結婚とかどうだっていい。タツヤ、あなたのそばにいたい。」
心臓が痛いほどに震えていた。
タツヤの顔を見れない。
これほど沈黙が恐ろしいと思ったことはなかった。
公園に何本もそびえ立っているクスノキの木漏れ日がユラユラと地面に揺れていた。



