こんなんじゃ、アユミにまだ何も言えない。

ミユにも、相談すらできない。

結局、私の状態は、ミユに会う前となんら変わりなかった。

こんなにも、変わらないってことは、やっぱり私が選ぶべき人はナオなんだろうか。


こうやって、自問自答してること自体不自然なわけだけど。

煮え切らない自分にいらいらだけが募る。


日曜日。

ナオとドライブにでかけた。

ナオからの提案で、郊外にある自然公園へ。

今は人混みよりも、こういう場所の方が落ち着いた。

相変わらずナオの選択は、いつも間違いがない。

「たまには、こういう場所もいいかなって思って。」

ナオは、広い芝生の上に寝転んだ。

「そうだね。気持ちいい。少し紫外線が気になるところだけど。」

冗談ぽく首をすくめて笑った。

「でも、紫外線って、人間にとっては悪いことばかりでもないらしいよ。」

ナオは笑いながら答えた。

「女性にとっては大敵の何物でもないよ。」

私はナオの隣に寝転がった。

「体を丈夫にしてくれる要素もあるんだってさ。当たりすぎはよくないけど、適度に当たるのは人間にとって必要なことって、誰かが言ってた。」

「ふうん。」

この世には無意味なものは何もないってことか。

太陽光線から目を守りながら、その暖かさを感じた。