「そうね。特に思いつかないけど、ナオは何かある?」

ナオの表情が少し硬くなったような気がした。

「もしよかったらうちに来る?」

思わず、言葉がのどの奥に引っ込んだ。

そっか。

確かナオは今一人暮らし。

まだ、ナオの家に行ったことなかった。

家に行く・・・ってことは。

そういうことになることもあるってこと。

大人同士のつきあいなんだもの。

どーってことないでしょ。

でも、そーでもないんだよね。これが。

ナオとは何度かデートはしたけど、まだ手を握るくらい。

キスさえしたことがなかった。

まだナオのこと知らなさすぎて、そういう気持ちにも未だなれずにいた。

一応、私はナオの彼女なわけで。

そういうことになったら、受け入れることも必要なんだよね。


ナオに聞かれて答える前に、いろんな気持ちが頭を巡った。

二人きりになって、そういう状況になって、自分の気持ちがわかるってこともあるかもしれない。

結婚を決めるには勇気もいるんだもんね。

「お邪魔してみよっかな。」

少しうつむいて答えた。