そんな状態で始業式、HRが集中できるわけがなく。

いつも学年集会とかで長ーいお話を聞く間変な顔で笑わせてくれた遥はいなかった。

ぶすっと一人で話を聞いている遥しか見えなかった。

こっちのほうを見ようともしない。

ちくっとあたしの胸の恋心がいたんだ。



全部終わって、さすがに今日は部活が休みなのでぼーっと教室に残る。

隣の遥はどこかへ行った。


またすっぽかしたり……しないよね??

ガラッと扉が開いた。

そこには息を切らした遥がいた。

「明音……」

「はっ、遥……。」

柄にもなく緊張した。

久しぶりに言葉を交わすから。


遥はあたしの隣に腰を下ろすと、

「明音……ごめんな」

といった。

「……どうしてッ」

あたしの口から出た言葉は「どうして」だった。

どうして、急になにも話してくれなくなったの?

どうして謝るの?

すべてが疑問だらけだった。

「どうしてッ」

あたしは泣いていた。