そんな二匹は猫同士なのか、たまに一緒にいることもあったが、基本的にはお互いに干渉することもなく過ごしていた。



 自由気ままで、のんびりだった。



 そうやって数年が過ぎた。



 数年後の夏、妙に白猫が黒猫と一緒にいたがるようになった。



 黒猫はしばらく黙っていたが、あまりにもしつこくてどうにも煩わしかった。


 夏になって何度か雨が降ったとき、黒猫は白猫を力いっぱい威嚇した。



 黒猫にはちょっとした威嚇だった。       


 自分が自由であるために、その一瞬を確保するために、周囲にする些細な威嚇。



 猫ならわかっているはず。



 黒猫はそれで一人の気ままな日々を手に入れた。