―「一磨」 今日で中学校を卒業する。 でも卒業は、それだけじゃない。 あたしは一磨からも卒業しなくちゃいけない…。 「…有香。」 「なに?」 「あたし、正直ね?一磨にふっきれたわけじゃないんだ。まだふっきれてない。」 あたし、まだ一磨に未練があるのかもしれない。 あの笑顔も、あの声も、あの仕草も 離れていくのが切ない。 こわいよ。