ただ あなただけ・・・


気がつくと、処理したデータを保存するだけになっていた。横を見れば、山積みにされていた大量の資料の山は綺麗に片付けられていた。


「妃奈、終わったか?」


少し離れたデスクから彼の声が聞こえた。


「後はデータを保存するだけです」


私は保存をクリックした。机の周りを片付け始めると、すでに帰り支度を終えた彼が戻ってきた。


「見回りしてくるから、エレベーターの前で待っててくれ」


彼はそう言うと、さっさと暗闇に消えていった。


・・・・私が返事をするまでもなく・・・・