「・・・・・・・・・・・・・・」 私は何も言わない彼の顔を見た。何時もなら一言言うはずだ。分量は今までと同じつもりだが・・・ 「・・・妃奈の味だ。俺の好きな味。久し振りに飲んだ・・・・」 彼は一口、二口美味しそうに飲んでいた。・・・良かった。味は大丈夫だったんだ。確かに久し振りに淹れたかもしれない。 「不味くなければ良かったです」 私は自分の椅子に座り、再びパソコンを打ち始めた。この時間が何も考えなくてもいい時。ただひたすら画面を見つめていればいい。