ただ あなただけ・・・


「もろタイプなんだけど」


「あ〜。たしかにイケメンだね」


「ここの社員じゃないよね?あんな人初めて見たから」


女性社員達が口々に言っているのは、多分外の人だかりの事だろう。


私は最後の一口を食べ終わると、みちるが席を立った。


「ねぇ、見に行ってみよっか」


「・・・え?下に?」


「だって気になるじゃん。あたしもイケメン見たい」


みちるは一度言い出したら聞かない。時計を見るとまだ時間はある。


「ハイハイ、わかりました。トイレに行きたいから待っててくれる?」


私は食器のトレイを持ち、席を立った。


「あたしやっとくから先行っておいで」


みちるは私からトレイを取り、先に行くように促した。


「・・・お言葉に甘えて」


私はトイレに向かった。