マスカラ〜年下男子の甘い秘密〜[完]

しばらく黙っていた蓮は私の方を見て一瞬だけ悲しそうにしてまた前を向いた

少しだけ繋いだ手に力が入った

「そうですか?そんな風には見えませんけど」
前を向く蓮の視線をたどって『え?』と言う私と

蓮を向いたまま「は?」と言うテツヤの声が重なった

広場の噴水の向こうから一人の女性がスタスタとこちらに向かって一直線に歩いてくる

「え?」
振り返ったテツヤはその女性を見て固まった

「テツヤさん…」
テツヤの前で立ち止まったその人は悲しそうな顔でテツヤだけを見ている