「ねぇ…なんで元カレと別れたの?」
頬を触った蓮が白い息を吐きながら呟く

『…話したくない』
視線を下げて先に歩きだす
「教えて?」
『…なんで急にそんな事聞くの』

つられて歩きだした蓮が手を引っ張って立ち止まった

「まだ…乗り越えられそうにないの?」
振り返ると真剣な顔をした蓮がジッと私を見ている

月明かりに照らされた蓮は怖いくらい綺麗で

『そんな事ない…』
小さな声で言って視線をそらす事しか出来なかった

「話して…」
そう言った蓮は自分の事を話した時よりずっと悲しそうな顔をしていた