私はゆっくりとブランコへ腰を下ろした。

キー...キー..。
と鈍い音が鳴る。

「私にも..こんな小さい頃があったのかな?」

昔の自分を思い出す。
あ、久々にアルバム見たいな。
ふと、思い、私は立ち上がって家に向かった。

「結局...家か。」

家に到着し、私は靴を脱いで部屋へと向かった。
鞄をベッドへ放り投げ、小学校時代のアルバムを探す。

「あ...あった。」

“麗聖小学校”と書かれたアルバム。
私は結構お嬢様校に通っていたらしく、都内でも有名だった。
パラパラとページを捲っていく....。
そこには、“将来の夢”というページがあった。

「私の夢って...なんだっけ?」

そう疑問に思いながら目を通していく。
『歌手』。
そうはっきりと書いてあった。
そうだった..。私、歌手になりたかったんだ。
歌が得意だった私は皆に自慢の歌を聞かせたくて、そう書いた。
歌手か...。まだ目指せるかな。
私は特に夢もない、趣味もない、恋もしない、ただ普通の人生を歩んでた。
また、夢を持ってみるのもいいかもしれない。
....決めた。
私、歌手になろう。