椎那 乃愛。22歳。
この日はとても静かな朝だった。
起きてみると、カーテンの隙間から太陽が覗きこんでいた。
「もう...朝か。」
私はCDショップでアルバイトをしていた。
もともと音楽が好きな私はずっと音楽を聴いていたくてこの仕事に就いた。
今日はそのバイトはお休みで、特にすることがなかった。
部屋でごろごろしていようか。
そう考えたが、なんだか気持ちが落ち着かなくて。
結局公園に散歩に行くことにした。
時間はまだ10時前なのに、公園には多くの子供たちが遊びに来ていた。
ポンポンポンポン....。
1つの青いボールがこちらに向かってくる。
「スイマセーン!取ってください~!」
1人の男の子が叫ぶ。
私はボールをヒョイと拾い上げて、その子の方へ投げた。
「ありがとうございます!」
その子は頭を下げて、友達の方へ走っていった。