その先にあるもの…




『はぁ・・・』



ハンドバックから携帯を取り出し、由貴兄に電話をかける。



「楓か?何かあったか?」



『由貴兄、榎本先生いないみたいなんだけど。』



「あぁ…」



『あぁ…ってどうすればいいのよ?』



「茶封筒渡してあるだろ?その中に鍵が入ってる。それで勝手に入っていいぞ。」



勝手に入って、怒られないのかな?あぁ、もう!!



「あいつ、一回寝たら少しのことじゃ起きないんだよな。」



そう、電話越しに呟いている、由貴兄。



『勝手に入って怒られないの?』



「変なことしない限りは怒らないだろう。」



変なことしない限りって…



どんなことすれば怒られるのよ。



「まぁ、そういうことだから!俺忙しいから電話切るな。せいぜい頑張れよ。」



なんて、笑いながら電話を切る由貴兄。



ほんと、無責任なんだから。



『はぁ・・・』



大きなため息を吐いて、鍵穴に鍵を差し込みドアを開ける。