---辺りは静かで、線香の匂いがたちこめる。 私はあるものの前でしゃがんで手を合わせていた。 「優羽。寒くないか?」 達也が上からそっと肩に手を置いた。 確かに今は真冬で、冷たい風が穏やかに吹く。 「ううん。大丈夫だよ」 けど今は心がすごく温かい。 だって・・・ 「初めて、“つゆり”さんに出会えたから…」 私はニッコリほほ笑んだ。 あの日、源一郎様が言っていた“つゆり”さんの意味をやっと教えてもらった。