「じい様に伝えといて。
悪いが、俺はお前たちの望みどおりには動かない。もっぱら優羽とも別れる気はないってな」
達也はいつもの自信満々の表情。
こないだとは違う…
曇りのない目--
湯澤さんはショックなのか、その場から微動だにしない。
「――優羽、帰るぞ」
「う、うん」
達也は少し戸惑い気味の私を引っ張った。
「お待ちください、達也様」
黙っていた湯澤さんが達也を見上げた。
「今のお言葉・・・・本気なのですか?本気でマスターに逆らうおつもりですか?
それが・・・茨の道とわかっていらっしゃるのに」
・・・・達也は振り返ろうとしない。
「たつ・・・・」
声をかけようとしたらギュッと達也が手に力を入れた。
「--茨の道ね・・・・。
そんなのは覚悟できてるし
優羽がいれば…大切な人が傍にいればそんな道ぐらい乗り越えられる」
そう言って達也は障子を閉めた。



