隆之くんの低い声の後に、穏やかな風が吹いた。



でも、ここだけは緊張の空気が張り詰めている。







「・・・そうかもしれないな」


ポツっと達也が呟いた。



「確かにそうかもしれねぇ。

でも、優羽を幸せにする。

そう決めて結婚したんだよ。
家とか周りとか関係なくな」




達也・・・





「…それでも諦めないよ。本条」


隆之くんは達也に近づいて、目の前に立つ。














「宣戦布告。

俺は、もう1度優羽と関係を取り戻す」













「やってみろよ。ぜってー譲らねぇ」








お互い目をそらさず睨みあっている。
















初秋の真昼間。



この宣戦布告を皮切りに
不本意にも複雑な三角関係が
出来あがってしまった----