「唯花、あのさぁ…」 呆れた顔で声をかけてくる愛美ちゃん。 「だって翔くんが悪いんだもん」 そう言って私が頬を膨らませると、愛美ちゃんは両手でパチンて叩いた。 「………いったぁー…」 そして涙目になる私を、はぁと溜息をついて見つめる。 「意地張りすぎ。中野先輩が浮気したわけでもないんだし」 「いや!あれは立派な浮気だよ!」 私の怒っている理由は、数分前に遡る。 …思い出すだけでイライラするよ。 .