7月上旬、太陽が照りつけて
女子には敵の季節。

そして男の子が
かっこよく見える季節。


「先輩今日も
 かっこいいー…っ」


休み時間、あたしは
窓際の席から校庭をのぞく。

売店で買ったジュースを
すすりながら、外で同級生と
サッカーをしている先輩に釘付け。


普段クールな先輩が同級生と
じゃれながらのサッカー。



自然と顔がニヤけてしまう。




南杏那
AnnaMinami、高2

これでもこの北咲高の
2年連続ミス北高


あたしの王子様というのは、
この校庭の中で1番輝いてる
あのかっこいい先輩、


もちろん王子様も
ミスター北高


早川陽太
YotaHayakawa


ミスターに恋するミス。
まるで王子を追い続ける姫。



「もちろんーっ!

 365日24時間あたしは
 先輩一色♪!」



「それ聞くの飽きたから

 あたしには顔しか
 いいとこわからん」



波野百合
通称:ゆっちゃん



「顔は悪魔でおまけ!

 先輩の1番いいとこは
 内面なんだから」


「例えば?」


「例えば今!

 見て!バスケ部なのに
 あんなにサッカーがうまい!」