お日様が照りつけるなか 競技用のピストルの音でスタートした 「じゃあ、はじめよっか」 エプロン姿の琉斗は いつもよりかっこよかった 「ねぇ 私、ケーキ作ったことないよ?」 「大丈夫」 そう言うと琉斗は 手際良く卵を割るとかき混ぜ始めた 「すごい…。」 その一言しか出てこなかった