「ハルちゃん、行っくよ~☆」


「おう、いつでも来い」


「えぃっ!!」


掛け声とともにポンッという軽い音がしてボールがネットの上を越えていく。



な~んだ。

あれだけ喧嘩してたわりには真剣勝負っていうより、ほのぼのって感じ。



なんて思っていると、私の打ったボールが偶然遥の顔面にヒット。



『げっ……』


「ってえ……」


遥は顔を押さえてうつむいている。


『ごめんっ!!』


ヤ、ヤバイ……。

なんだかものすごく嫌な予感がする。


「おい、何してんだ?

早くサーブ打てよ」


棒立ちになっていた私に遥がサーブを早く打つよう、催促してくる。


あれっ?

なんだ、怒ってないんだ。

良かった~。


なんて考えていた私が甘かった。