「何だか…緊張してたのが嘘みたいです…」

恥ずかしそうに微笑む高野はやっぱり俺を刺激する。

「木下さんの傍にいたくて…木下さんも私をそう思ってくれるといいなって…この気持ちが『好き』なんですよね?」

「そうだな。でも俺はもうちょっと違う事も考えてるけど」

「違う事…?」

不思議そうにする高野の頬を手のひらで挟むと唇を重ねた。



「高野にもっと触れたい…とかな」

「私も…木下さんにもっともっと触れたいです」

胸に顔を擦りつけるようにして俯く高野をそっと抱きしめた。

「本当に思い残す事はありません」

「バカ。俺はこれだけじゃ不満なの。もっと高野と近づきたい」

「…?どういう事でしょうか?」

首を傾げる高野にどう説明したものかと困ってしまった…。

少しは察しろよ。
こーゆーとこが鈍臭いのかもしれない。

そう思ってつい笑ってしまった。